山一のすし飯台で作る

お祝いの日の華やか
たい飯&たい茶漬け

ワタナベマキのおいしい道具・2026.01.19

おしゃれで簡単! 作る人に寄り添うレシピに定評のある料理家のワタナベマキさん。キッチンツールの著書があるほど道具や器選びにはこだわりがあり、「お気に入りの道具や器は、料理する気分を盛り上げてくれる大事な相棒」と語ります。そんなマキさんに、毎月、あると思わず料理がしたくなるキッチンツールを紹介してもらいます。今回は、いつかは欲しいすし飯台とフォルムが美しいガラスポットです。

おいしい道具①

山一の
「すし飯台」

お寿司好きのマキさん宅では、ひな祭りや五月の節句、家族の誕生日にお寿司を作ることが多いといいます。「お寿司をイベントの日によく作るのは、もちろん大好きなこともありますが、実はそこまで手間がかからないおもてなし料理だからなんです。すし飯さえ作ってしまえば、海鮮をのせるだけでもごちそうになります。山一のすし飯台は香りが穏やかなのが特徴。具材の味を邪魔しません。木目も美しく、そのままテーブルへ出せるのもいいですね」。

おいしい道具②

クラフトユーの
「まんまるポット」

器好きのマキさん。茶器もいろいろ揃えていますが、中でも最近のお気に入りはころんとまあるいフォルムのガラスポット。「見た瞬間、「わ、かわいい!」と一目惚れしました。ガラス製なので茶葉の様子がよく見え、まあるいからジャンピングしやすく、香りや味わいも十分引き出してくれるんです。わが家ではお茶だけでなく、今回紹介するだし茶漬けのときにも使うことが多いです。だしの黄金色が見えると、おいしさが倍増する気がします」。

#Recipe

お祝いの日の
華やかたい飯

季節の行事に出番が多い、ちらし寿司。ひな祭りには海鮮のほかに厚焼き卵(わが家では錦糸卵ではなく厚焼き玉子)をのせたり、夏にはうなぎの蒲焼きをのせたり……。具材は季節のものや好みのものをのせるといいと思います。ちらし寿司を作ったときは、〆の(⁉)だし茶漬けもお楽しみ。濃いめのだしをかけると、魚介が半生状態になり、これがまたおいしいのです。

材料
〈たい飯(4人分)〉
温かいご飯 2合分

たいの昆布〆
|たいの刺身(さく) 180g
|昆布 10cm×20cm 2枚
|塩 小さじ1/3

すし酢

|米酢 大さじ3
|砂糖 大さじ1
|酢 小さじ1

酒 大さじ2
いくらの塩漬け 20g
実山椒水煮 大さじ2
菊花(洗い、水けを拭いて花びらを摘む) 1個

〈たい飯の後の茶漬け(作りやすい分量)〉
残ったたい飯 適量

濃いめのだし汁

|水 500mL
|昆布 3cm角1枚
|かつお削り節 15g
|塩、しょうゆ各小さじ1/2

───
*小さじ1=5mL、大さじ1=15mL、1カップ=200mLです。

作り方
〈たい飯〉
 たいの昆布〆の準備。たいは両面にまんべんなく塩をふる。昆布はさっと濡らし、ラップで包んで10分ほどおき、少しやわらかくする。
Maki's Memo
「たいは塩をふっておき、余分な水分を出してうまみを凝縮させます」
───
 たいの昆布〆を作る。昆布1枚にたいをのせ、もう一枚の昆布をかぶせてはさむ。ラップでしっかりと包み、さらにジッパー付き冷凍保存袋に入れ、冷蔵庫で2時間以上漬ける。
Maki's Memo
「昆布でたいをはさむといい風味がつくだけでなく、身も締まります。昆布〆にすると日持ちもするんですよ」
───
 飯台に温かいご飯を入れ、合わせたすし酢を加え、しゃもじで切るように混ぜ合わせる。
Maki's Memo
「すし酢をご飯全体にかけたら、決してご飯を練らないこと! さっくりと混ぜます」
───
 耐熱容器に酒を入れ、ラップをかけずに電子レンジで30秒加熱してアルコール分を飛ばし、冷ます。
Maki's Memo
「昆布〆のたいにふる酒は、あらかじめアルコール分を飛ばしておきます。そうしないと苦味が口に残ります」
───
 の昆布を取り除き、たいにの酒を全体になじませ、7~8mm厚さに切る。のすし飯にのせ、いくらの塩漬け、実山椒を飾り、菊花を散らす。
Maki's Memo
「ご飯にたいをのせたら、他の具材を彩りよく飾りましょう。実山椒がなければ、塩ゆでした絹さやを細く切ったり、青じそでも」

〈たい飯の後の茶漬け〉
 鍋に分量の水、昆布を入れ、1~2時間おく。
───
 弱めの中火にかけ、フツフツとしてきたら昆布を取り出し、水1/2カップ(分量外)を加え、かつお節を加えて3分ほど煮て、アクを取り除き、火を止める。
───
 ざるにペーパーなどをおいて漉し、鍋に戻し入れる。中火にかけ、塩、しょうゆで調味する。残ったたい飯にかけ、だし茶漬けにする。

マキさんのおいしいポイント

すし飯を上手に作れたら、ちらし寿司が身近になります。すし飯作りのポイントは、1つめはアツアツのご飯にすし酢をかけること。2つめは手早く、練らないように混ぜること。3つめは、団扇であおぐのはご飯にすし酢がしっかり吸い込んだ後。その前にあおぐと、ご飯が冷めてかたまり、すし酢がしっかり行き渡りません。

ポイント❶
すし酢を全体にかけたら、切るように混ぜます。練ると粘りが出てしまうので注意しましょう。

ポイント❷
すし飯にたいの昆布〆をのせたら、いくらの塩漬けや実山椒、菊花を飾っていきます。いくらのオレンジに実山椒の緑、菊花の黄色がアクセント。

ポイント❸
だしを濃いめにとり、塩やしょうゆで薄く味をつけただし汁がたい飯によく合います。

ワタナベマキのもっと!おいしい道具

たい飯をすし飯台にきれいに盛りつけたら、そのままテーブルにドーンとおくとごちそう感満載です。茶碗として使ったのは、Homelandの信楽焼の飯椀。ほっこりとした温かみがありながらジャンルレスな雰囲気もあり、どんなテーブルにも寄り添ってくれます。飯椀の柄はあえてすべて揃えず、白や斑点柄にすると、ゲストが選ぶ楽しみもありますよね。お揃いの箸置きも、統一感を出すのに効果的です。

教えてくれた人

ワタナベマキさん
1976年神奈川県生まれ。夫と息子、猫2匹と暮らす。グラフィックデザイナーを経て、2005年に料理家として活動を始める。日々食べるものをおいしくていねいに作るのが信条。素材の味をシンプルに引き出す料理、素材の組み合わせに定評がある。ライフスタイルに憧れるファンも多い。現在は、テレビ、雑誌、オンライン料理教室など幅広く活躍中。著書は『マキさんの極上シンプルおにぎり』(ワンパブリッシング)、『ほったらかしでおいしい!せいろでおかず蒸し』(Gakken)、『あたらしいみそおかず』(文化出版局)、『ワタナベマキの体に優しいいたわりスープ』(扶桑社)、『五感が喜ぶおいしい組み合わせ。おつまみ100』(宝島社)など多数。
https://maki-watanabe.com

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撮影/福尾美雪
構成・文/飯村いずみ
アートディレクション/小橋太郎(Yep)