Homelandの鉄取手 鍛造フライパンで作る

わが家のおもてなしの定番ローストポーク

ワタナベマキのおいしい道具・2025.11.20

おしゃれで簡単! 作る人に寄り添うレシピに定評のある料理家のワタナベマキさん。キッチンツールの著書があるほど道具や器選びにはこだわりがあり、「お気に入りの道具や器は、料理する気分を盛り上げてくれる大事な相棒」と語ります。そんなマキさんに、毎月、あると思わず料理がしたくなるキッチンツールを紹介してもらいます。第三回目は、育てて使い続けたい鉄フライパンです。

おいしい道具①

Homelandの
「鉄取手 鍛造フライパン」

マキさんは、フライパンといえば鉄製一択。香ばしく焼くには鉄製のフライパンが一番といいます。「私が鉄製フライパンに魅せられたのは、ハンバーグ専門店でのこと。表面を焼いてからフライパンごとオーブンに入れているのをみて、やっぱり鉄製が欲しいな~と思ったんです。このHomelandのフライパンは取っ手が短いのでオーブンに入れやすいのも魅力。ハンバーグはもちろん、ローストポークもこれならおいしく作れます。使い続けて、ますます愛着のある道具に育てていきたいなあと思います」。

おいしい道具②

チェリーテラスの
「サラダスピナーセット」

サラダをおいしくする一番のコツは余分な水分をしっかりとること。そのためには、サラダスピナーは欠かせないとマキさん。このサラダスピナーはやっと見つけたお気に入り。「ボウル部分がプラスチック製のサラダスピナーはよく見かけますが、ガラス製はなかなかない。デザインもよく、そのままテーブルに出せる。サラダスピナーのふたが分解できて、清潔感を保てるのもいいところです。素敵なサラダスピナーってなかなかないので、友人へのプレゼントにすることも」。

#Recipe

わが家のおもてなしの定番
ローストポーク

おもてなしのときや特別な日には、必ず何かしらのかたまり肉の料理を作ります。みんなテンションが上がりますから。中でもよく作るのがローストポークです。わが家では、ほどよく脂があり、うまみも強い肩ロース肉を使い、表面をフライパンでこんがりと焼きつけてからオーブンでじっくり焼き上げます。オーブンに入れてしまえば手が離れ、他の準備ができるので、おもてなしにはぴったりなんですよ。オーブンで蒸し焼きにすると甘みが凝縮されるので、必ず野菜も一緒に焼いています。

材料(2〜3人分)
〈ローストポーク〉
豚肩ロース塊肉 400g
じゃがいも 2〜4個
にんじん 1本
紫玉ねぎ 1個
にんにく 1/2個
ローズマリー 4~5本
塩 適量
粗びき黒こしょう 少々
オリーブ油 小さじ2
白ワイン 大さじ2

〈サラダ〉
ベビーリーフ 80g
〈ドレッシング〉
|塩 小さじ1/2
|こしょう 少々
|レモン汁 大さじ1
|オリーブ油 大さじ1
ローストアーモンド 20g

───
*小さじ1=5mL、大さじ1=15mL、1カップ=200mLです。

作り方
 豚肉は塩小さじ1をしっかりとすり込む。オーブンは130℃に予熱する。
Maki's Memo

「肉全体に塩をしっかりすり込みます。こうすると、肉のうまみが引き立ちます」
───
 野菜を準備する。じゃがいもは皮つきのままよく洗い、1個ずつラップで包み、電子レンジで5分加熱する。ラップを外し、表面に十字の切り目を入れる。にんじんは皮つきのまま縦に四つ割りにし、大きめに切ったアルミホイルにじゃがいもと一緒にのせて包む。紫玉ねぎは皮つきのまま横半分に切る。
Maki's Memo
「じゃがいもは火が通りにくいので、あらかじめ電子レンジで下加熱してからオーブンで焼きます」
───
 フライパンを強火でよく熱し、軽く煙が出てきたらオリーブ油を入れて弱火にし、にんにくと紫玉ねぎの切り口を下にして入れて焼き、塩、こしょう各少々をふる。にんにくの香りが出てきたらの豚肉の全面に焼き目をつけ、ローズマリー、白ワインを加える。
Maki's Memo
「ローズマリーは肉の臭みを消してくれ、さわやかな香りをつけてくれます。白ワインも風味づけの役目。にんにくは風味づけでもありますが、焼くととろとろになり、肉につけて食べてもおいしいです」
───
 オーブンにをフライパンごと入れ、横にのじゃがいもとにんじんを包んだアルミホイルをおき、130℃のオーブンで約1時間焼く。
Maki's Memo
「フライパンごと焼くと、より香ばしい仕上がりに」

〈サラダ
ベビーリーフは水にさらしてシャキッとさせ、軽く水けをきってサラダスピナーに入れて水けをしっかりきる。サラダスピナーのガラスボウルからベビーリーフを取り出してガラスボウルの水けを拭き、ドレッシングの材料を入れて混ぜる。ガラスボウルにベビーリーフを戻し入れて全体をあえ、ローストアーモンドを砕いて加え、あえる。
Maki's Memo

「ナッツが食感のいいアクセントになります」

マキさんのおいしいポイント

鉄フライパンで肉の表面にこんがりとした焼き色をつけ、フライパンごとオーブンに入れて中までじっくり火を通すので、生焼けの心配もなく、失敗しない料理です。にんじんやじゃがいもなどの根菜を蒸し焼きにすると、野菜の甘みがギューッと凝縮されておいしいので、いつも一緒に焼いています。

ポイント❶
豚肉は、まずフライパンで表面を焼きつけます。肉のうまみを閉じ込めるのと、香ばしさをつけるためです。鉄のフライパンなら、こんがり感と香ばしさが違います。

ポイント❷
鉄フライパンなら、そのままオーブンに入れられます。低温でじっくり時間をかけて肉に火を通すと、中はふっくら&しっとりとした仕上がりに。鉄フライパンにのせたまま焼けば、香ばしさもそのままです。

ポイント❸
野菜はきれいに洗ってから水にさらしてシャキッとさせた後、サラダスピナーに入れて水けをきります。しっかり水けをとるとシャキッと食感もよくなり、ドレッシングもよくからまります。

ワタナベマキのもっと!おいしい道具

オーブンで焼いた豚肉は食べやすく切り分け、野菜と共にカッティングボードに盛りつけます。木目が美しいカッティングボードは豪快さと華やかさを兼ね備えているので、食卓が映えること間違いなし。サラダを入れたガラスのボウルや陶器の器を隣に並べたときに、テーブルのアクセントにもなります。わが家では、ローストポークのほかにチーズとフルーツ、サラミなどを盛り合わせることも。

教えてくれた人

ワタナベマキさん
1976年神奈川県生まれ。夫と息子、猫2匹と暮らす。グラフィックデザイナーを経て、2005年に料理家として活動を始める。日々食べるものをおいしくていねいに作るのが信条。素材の味をシンプルに引き出す料理、素材の組み合わせに定評がある。ライフスタイルに憧れるファンも多い。現在は、テレビ、雑誌、オンライン料理教室など幅広く活躍中。著書は『マキさんの極上シンプルおにぎり』(ワンパブリッシング)、『ほったらかしでおいしい!せいろでおかず蒸し』(Gakken)、『あたらしいみそおかず』(文化出版局)、『ワタナベマキの体に優しいいたわりスープ』(扶桑社)、『五感が喜ぶおいしい組み合わせ。おつまみ100』(宝島社)など多数。
https://maki-watanabe.com

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『ストウブで無水蒸しおかず』
(ワン・パブリッシング)

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Wa&_ (ワンダー)
wa&_(ワンダー)は、現代版“にっぽんの味”を料理家ワタナベマキが提案するブランドです。"日々の食卓に、小さなワンダーを"をテーマに、世界各地の料理から受けたインスピレーションを繊細な和のテイストにアレンジしてお届けします。

ワタナベマキのおいしい本棚

ストウブで無水蒸しおかず
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staubの鍋に材料を入れて火にかけるだけで完成。簡単無水蒸しレシピ。手軽なのに、素材の甘みとうまみが凝縮。初心者でも失敗なく作れる、毎日使えるレシピ集です。
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梅干しは万能調味料
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酸味と塩味はもちろん、果実ならではの香りもあり、和食から中華、洋風、エスニックまで、多彩な料理に展開できる梅干し。「私にとって梅干しは、基本調味料であり、万能調味料」と語るワタナベさんが、本書でとっておき梅料理60品を紹介。また、保存袋を使って1kgから気軽にはじめられる梅干し作りとQ&A、梅酢の活用アイデアまで網羅。梅干し&梅料理の決定版です!
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ワタナベマキの
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あたらしい みそおかず
しょうゆのようにみそを使う!
(文化出版局)
健康食品としても注目を集める「みそ」。和風のイメージが強いですが、洋風、アジア風などの料理にもおどろくほどなじみます。しょうゆや塩のようにもっと気軽に使ってほしい万能調味料です。みそ漬け、和・洋・アジアのおかず、みそ汁、手作りみそ、金山寺みそなどを紹介。
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ほったらかしでおいしい! 
せいろでおかず蒸し:
手軽に毎日ごちそう気分!
(Gakken)
近頃、調理器具の中でも人気が高いのが「せいろ」。せいろで蒸す料理は、調理のテクニックが必要ないので失敗が少なく、素材のうまみを引き出して、ほおっておくだけでおいしく仕上がります。毎日のごはん作りの中で、ぜひ取り入れて欲しい調理のひとつ。忙しいときほどせいろで蒸す調理が役に立ちます。ごちそう感いっぱいの蒸すおかずを紹介。
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撮影/福尾美雪
構成・文/飯村いずみ
アートディレクション/小橋太郎(Yep)