Le regole delle buono cucina

番外編「ストウブ1つでもちもち余熱パスタ」の巻

プロに教わる!おいしいの法則・2024.05.31

食べるの大好き。料理はそんなに得意じゃないけど、ワインやビール片手にチャチャッとおいしいものを作りたい。そんな方に贈る『プロに教わる!おいしいの法則』。

この連載で、いつも簡単でオシャレな料理を教えてくれる三軒茶屋のイタリアンレストラン「ブリッカ」の金田シェフが、ストウブで作る簡単でおいしいパスタの本『ストウブ1つでもちもち余熱パスタ』を出したと聞き、突撃取材!!

ストウブって、どんな鍋?

ストウブは厚みのある鋳鉄製の鍋です。熱伝導と保温性がよく、一度温まるとなかなか冷めません。また、蓋の裏側にはピコ(ブレイザーの場合はシステマ)という突起があり、加熱で染み出た素材の水分が鍋の中を対流し、ピコやシステマを伝わって素材全体に雨のように降り注ぐため、うまみを逃がしません。僕の店では、もう随分前から愛用。アクアパッツァなどの煮込み料理も本当においしくできるんだ。

What is 余熱パスタ?

「余熱パスタ」とは、ストウブの保温性をいかして作るパスタです。ストウブは火を止めても、鍋の中では火にかけているのと同じ状態が続くため、パスタのゆで時間の半分を余熱にすることができるのです。ストウブで具を炒め、そこに水とスパゲッティーニ、塩を入れて5分ほどゆで、火を止めて5分放置すれば完成! 簡単に早く、つきっきりでなくても作れちゃうのがいいところ。ガス代も節約できるし、家計にもやさしい。そして、なんといってもパスタがもちもちむっちりとした食感になるのが最大の特徴。一度食べたら、やみつき確実!!

#Recipe

まずは、余熱パスタの基本
「ペペロンチーノ」を
作ってみよう!


材料と作り方(2人分)
―――
スパゲッティーニ(半分に折る) 200g
にんにく(薄切り) 1/2かけ(4g)
赤唐辛子(種を取る) 1/2本
イタリアンパセリ(ざく切り) 2枝
オリーブ油(ピュア) 大さじ2
水 450㎖
塩 6g(小さじ1強)
オリーブ油(EX.) 適量
―――
*1人分を作る場合は、材料を半分に、水分量は250㎖にする。

① 具を炒める
ストウブに、オリーブ油(ピュア)、にんにく、赤唐辛子を入れ、中火で炒める。にんにくの香りが出てきて薄茶色になったら、イタリアンパセリを加え、軽く炒める。

〈おいしいの法則①〉
これは、オリーブ油ににんにくと赤唐辛子、イタリアンパセリの香りをつけるための作業。ストウブは強火厳禁なので、火加減は中火で!

② 水、塩、パスタを入れてゆでる
分量の水、塩、スパゲッティーニを入れて中火にかける。

〈おいしいの法則②〉
パスタがしっかり水に浸かるよう、パスタを半分に折って入れるよ。水から顔を出していると、その部分がきちんとゆだらないので注意しよう。

③ 蓋をして2分!混ぜて蓋をして3分!
煮立ったら蓋をして弱火で2分ゆでる。蓋を開け、スパゲッティーニをしっかり混ぜ、再び煮立ったら蓋をして3分ゆでる。

〈おいしいの法則③〉
2分ゆでた後、一度しっかり混ぜる。これがおいしくゆでるコツ1。そうしないと、パスタ同士がくっついてしまう場合があるんだ。

④ 蓋をして火を止めて余熱で5分!
火を止め、そのまま5分余熱で火を通す。スパゲッティーニがゆで上がったらオリーブ油(EX.)を加え、よく混ぜる。

〈おいしいの法則④〉
余熱に入る前に、一度しっかり沸騰させておくのが、おいしくゆでるコツ2。でないと、パスタが生ゆでになる場合も。これさえ注意したら、あとは鍋に任せよう。

⑤ 完成!
ゆで上がりに水分が少し残っていても、パスタがゆで上がっていれば大丈夫。パスタを少し食べてみて、もしかたかったら蓋をして再び1~2分余熱で火を通す。ゆで上がっていることを確認してからオリーブ油(EX.)を加え、よく混ぜる。

〈おいしいの法則⑤〉
仕上げにオリーブ油(EX.)を加えたら、ぐるぐるとよく混ぜるとオイルがパスタと一体化しておいしくなる。このときのオイルはもちろん、風味がよく酸味があるエキストラバージンオリーブオイル!

⑥ 器に盛る
器に盛り、好みでさらにイタリアンパセリをふる。

〈おいしいの法則⑥〉
パスタはできたてを食べるべし! もちもち食感がおいし~~~。こんなにラクチンにおいしいパスタが食べられるなんて。もう普通のパスタには戻れないかも!?

『ストウブ1つでもちもち余熱パスタ』
文化出版局刊 1,760円(税込み)
文化出版局Instagram @books_bunka

金田シェフがストウブを使い、家計にもやさしいほったらかしにできるパスタレシピを紹介。パスタといえば! の定番の味から、オリジナルのパスタ料理まで。本格的な味わいはレストランのシェフならでは。余熱パスタは独特のもちもち食感で、一度食べたらクセになる!

かねだまさよし
金田真芳

「Bricca(ブリッカ)」&「Però(ペロウ)」オーナー兼料理長。都内イタリアンレストラン数店に従事し、2010年三軒茶屋にイタリアンレストラン「Bricca(ブリッカ)」開店。小学校高学年のころからラーメンの味変を楽しむなど料理に興味を持ち、高校卒業後料理の道へ。「イタリアンをベースに、自分の興味に素直に、自分が食べたい作りたい料理を作っていきたい」と語る。著書に『うち飲みワインのおいしいつまみ』(Gakken)がある。

撮影/キッチンミノル
スタイリング/久保百合子
構成・文/飯村いずみ
アートディレクション/小橋太郎(Yep)

プロに教わる! おいしいの法則