Le regole delle buono cucina

第5回「ポルケッタ」の巻

プロに教わる!おいしいの法則・2023.11.16

食べるの大好き。料理はそんなに得意じゃないけど、ワインやビール片手にチャチャッとおいしいものを作りたい。そんな方に贈る『プロに教わる!おいしいの法則』。

教えてくれるのは、三軒茶屋にあるシンプルで食べ飽きない料理とナチュラルワインが人気のイタリアンレストラン「ブリッカ」の金田シェフ。

「気分がアガるイカした道具を使って、手軽においしい料理を作りたい!」とお願いしたところ、「見た目はもちろん機能もばっちり! の道具とおもてなしにぴったりの料理」を紹介してくれた。

【今回のメインツール】

Homeland
鉄取手 鍛造フライパン

「使い勝手がよく、長く使いたくなるキッチンツール」をコンセプトに日本各地の作り手と共同開発しているアスプルンドのオリジナルブランド、Homeland。そのHomelandより発売した、鍛造の鉄フライパンです。鍛造とは鉄の塊を叩いて造る手法で、蓄熱性と熱伝導がよいのがメリット。もちろん、鉄フライパンならではの丈夫で長持ち、使い込むほどに油がよくなじむため、材料がこびりつかない、きれいな焼き目がつく、などの特徴はそのまま!

鉄フライパンなら、
焼きつけてそのままオーブンへ。

今回作るポルケッタは、肉の表面を焼いて豚バラ肉の脂を落とし、その後オーブンでじっくり火を通す料理。だから、十分熱してから使えば素材がくっつかずに表面がパリッと焼け、オーブンに入れられるこの鉄のフライパンはもってこい! 取っ手が長すぎないから、オーブンに入れやすいしね。また、このフライパンは深さがあるので、具材の多い炒め物も炒めやすい。

#Recipe

ポルケッタ&
マッシュルームの温製サラダ


材料と作り方(2人分)
―――
ポルケッタ
豚バラ肉(ブロック) 600g
にんにく 3かけ
 →皮をむく
―――
フィリング
|粒マスタード 30g
|塩 小さじ1(全体の1%)
|ローズマリー 2枝
| →みじん切り
|生ハム 3枚
―――
サラダ
マッシュルーム 2パック(300g)
 →石づきを落とし、2~3等分に切る
ルッコラ、トレビス 各適量
塩、こしょう 各少々
バルサミコ酢 大さじ3
―――
*小さじ1=5㎖、大さじ1=15㎖、1カップ=200㎖です。

① フィリング、肉を準備する
フィリングは、生ハム以外を混ぜ合わせる。豚バラ肉に包丁を入れ、切り開く。

〈おいしいの法則①〉
豚肉を切り開くときは脂面を下にしてまな板におき、厚さ1㎝になるように包丁を入れて切り開く。厚みが均一になるように切るのがコツ。芯部にモリブデン・バナジウム鋼を使用している、切れ味バツグンのHomelandの包丁なら、肉もすいすい切り開ける!

Homeland 万能包丁

② 肉でフィリング、生ハムを巻く
豚バラ肉の肉面全体にフィリングを塗り(巻き終わりの端は2㎝ほど残す)、生ハムをのせ、手前からくるくると巻く。その後、たこ糸をゆるめに巻く。

〈おいしいの法則②〉
肉の脂面が外側になるように脂面を下におき、フィリングを包み込むように巻いていこう。

Homeland まな板

③ 肉の表面を焼く
フライパンを強めの中火で熱し、油を引かずにをのせ、中火にして表面を焼きつける。中まで火を通す必要はなく、表面に焼き色がつけばよい。

〈おいしいの法則③〉
焼くときはあまり動かさず、一面ずつじっくり焼き色をつけよう。表面を焼くのは、脂を落とすのが目的。強火で焼くと脂が焼けて臭みが出るので、肉をのせたら火加減は中火にすること。鉄のフライパンなら、焼き目がきれいに、しかも早くつくのがうれしい。

④ オーブンで焼く
フライパンの肉の横ににんにくをおき、アルミホイルでフライパン全体をふんわりと包み、180℃に予熱したオーブンで40~50分焼く。途中、1~2回、豚肉を返すとよい。

〈おいしいの法則④〉
オーブンで焼くのは、肉の中にじっくり火を通すのが目的。ここでは焼き目はつけなくていいので、アルミホイルをかぶせよう。オーブンに入れるとき、気になるのがフライパンの取っ手。ハンドル部分15㎝のこのフライパンなら庫内容量20ℓ以上のオーブンに入れられ、その点も便利。

⑤ マッシュルームを炒め、調味する
フライパンから豚肉を取り出し(フライパンが熱いので注意する)、脂を半分程度取り除き、マッシュルームを入れて中火で炒める。あまり動かさず、しっかり焼きつけてから返すとよい。塩、こしょうをふり、バルサミコ酢を加え、少し煮詰めながら酸味のカドをとる。

〈おいしいの法則⑤〉
マッシュルームを焼くときには豚肉から出た脂を使い、おいしさを余すところなく利用するのがポイント。また、バルサミコ酢を加えたら少し煮詰めてうまみを凝縮させ、サラダのドレッシングに使おう。たっぷりのきのこも深さのあるフライパンなら、炒めやすい!

Arteregnoターナー

⑥ 盛りつけ
の肉を食べやすく切り、ボードにのせる。器にルッコラ、トレビスを盛り、⑤のマッシュルームをソースごと野菜にかける。
*ポルケッタは、薄くスライスしてパンにはさんでパニーニにしたり、サラダにしてもおいしい。

〈おいしいの法則⑥〉
肉は焼き上がったらすぐに切らずに、常温で15~30分おいて肉汁を落ち着かせてから切るのが鉄則。マッシュルームを焼いている間もアルミホイルで包んでおくといい。ポルケッタは、切り口の美しさも重要ポイント。Homelandの包丁ならスーッと気持ちがいいほどきれいに切れるよ。オリーブのボードにのせ、ゲストの前で切り分けると盛り上がること間違いなし。

Arteregnoカッティングボード
#Recipe

チョコレートムース


材料と作り方(1.6ℓの容器1個分)
―――
ミルクチョコレート 300g
生クリーム 600㎖
砂糖 60g
カカオパウダー、岩塩(好みで) 各適量
―――

① チョコレートは刻み、ボウルに入れて湯煎にあてて溶かす。耐熱容器に入れ、電子レンジで溶かしても。

 別のボウルに生クリーム、砂糖を入れ、氷水を入れたボウルにのせ、泡立て器orハンドミキサーで八分立て(すくい上げると、ツノの先がおじぎするくらい)に泡立てる。

 のチョコレートのボウルにの生クリームを3回くらいに分けて加え、最初はガーッと混ぜ、2回目からは泡をつぶさないようにさっくりと混ぜる。

 容器にを移して冷蔵庫で冷やし、カカオパウダーを振り、好みで岩塩をかける。

*チョコレートと生クリームは1:2の割合。砂糖は生クリームの1/10。これさえ覚えておけば、好きな量で作ることができる。

ガラス容器に盛りつけて、バルのデザート風に。とり分けにもグラスを使うと、サイドからも見えておいしそう!

”Mangiamo”
献立のポイント

クリスマスをイメージしたごちそう献立です。ポルケッタを焼きつけたときに出た肉の脂を利用してマッシュルームを炒め、もう1品サラダを作っちゃおうと考えました。豚肉ときのこは相性バツグンだし、ポルケッタのときには生野菜サラダが食べたくなる、というのも理由だけどね。クリスマスだからデザートも欲しい! ということで、気軽に作れるデザートも併せてご紹介。

Peróのソムリエールがセレクト!
今月のワイン

今回の料理は味わいが華やかなので、ワインには穏やかな印象のものを選びました。両方とも華やかすぎるとケンカしてしまうので。加えて、秋から冬に飲みたくなる落ち着いたトーンもセレクトポイントです。ロゼのスパークリング(左)はチョコレートムースにぴったり。白ワイン(中央)は渋すぎず、香りやさしいワインです。赤ワイン(右)はやさしいタンニンがあり、ポルケッタの脂を程よくきって口の中をさっぱりさせてくれます。

金田真芳(かねだ まさよし)さん

「Bricca(ブリッカ)」&「Però(ペロウ)」オーナー兼料理長。都内イタリアンレストラン数店に従事し、2010年三軒茶屋にイタリアンレストラン「Bricca」開店。小学校のころからラーメンの”味変”を楽しむなど料理に興味津々。高校卒業後、料理の道へ。「イタリアンをベースに、自分の興味に素直に、自分が食べたい作りたい料理を作っていきたい」と語る。著書に『うち飲みワインのおいしいつまみ』(Gakken)がある。

Bricca|Instagram

熊本千絵(くまもと ちえ)さん

ワインストア&ワインスタンド「Però(ペロウ)」ソムリエール。都内イタリアンレストランでサービスに従事し、2020年より「Però」スタッフに。ワインは全く飲めなかったが、「飲める」「体が受け入れる」ワイン……自然な環境下で育ち、ケミカルなものに頼らず醸造したもの……との出会いからナチュラルワインの世界へ。「ワインは体に負担なく飲み進められるものかどうかが大切な気がします」。

Peró|Instagram

もっと詳しく知りたい方は…

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撮影/上端春菜(bean)
構成・文/飯村いずみ
アートディレクション/小橋太郎(Yep)

プロに教わる! おいしいの法則