様々な方のご自宅にお邪魔して、スタイリングのこだわりや、その人のライフスタイルを伺うコラム「あの人のお宅訪問」。
今回お邪魔するのは、ご主人とお子さん2人の4人暮らしのカメラマン・嶋本麻利沙さんのご自宅。さて、どんなご自宅なのでしょうか!
麻利沙さんのご自宅は、都内某所に建つ、撮影スタジオが併設されたコンクリート打ちっぱなしのモダンな外観の3階建ての住宅。
設計を手掛けたのは、建築家の大橋渉さん。白を基調とした、直線的でモダンなデザイン。そこに無垢材を合わせて、シンプルながらも木のぬくもりを感じる素敵なお宅です。一番大切にしたのは「光」。各室に窓を設置し、自然光がしっかりと取り込めるようにしたそうです。
こどもの笑顔が溢れる、明るいリビングダイニング
スタジオが併設された建物の最上階が麻利沙さんのご自宅。今回はリビングダイニングを中心にご紹介します。
玄関から入ると、開放感たっぷりの空間が広がります。こどもたちがのびのびと走り回れる、一間続きのリビングダイングです。大きな窓からは光がたっぷりと差し込み、昼間は照明がいらないほど。
リビングの中心にはXANDER DESIGNS(サンダーデザイン)のテレビボードが、白の世界にやさしく溶け込んでいます。もともと古いものや天然木の家具が好きな麻利沙さんがTIMELESS COMFORT 自由が丘の店舗で一目惚れし、この新居に迎え入れてくれました。テレビボードの周辺にはゲーム機やおもちゃなど、子どもたちの物がたくさん。引き出しと左右の蛇腹扉の棚と細かく仕切られているので、こどもたちも整理がしやすく、収納場所としてとても重宝しているそうです。
続いては、リビングからフロア続きのダイニングへ。
ダイニングテーブルは前の家から10年以上使い続けているもの。シンプルで直線的なデザインながらも無垢材のぬくもりを感じ、この空間にぴったりとマッチしています。物が多く片付けが苦手という麻利沙さん。そうとは思えないほどすっきりとして見えるのは、ダイニングとの間に背の高いカウンターを設けているから。リビング側からキッチンの中が見えないように工夫されています。天井が高く目線の先にある大きな窓のおかげで、圧迫感も感じません。こどもたちがいない昼間の時間は、この場所で仕事をすることもあるそうです。
キッチンカウンターの横には、「ウッドウィック」のキャンドルが。昨年のクリスマスにお父さんからもらったもの。5年くらい前にSHOP ASPLUNDで購入したというクマの置物もかわいい。
壁には、こどもたちが描いた絵やカレンダー、学校の時間割など、様々なものがランダムに貼り付けられていました。こどもたちが自分で貼りつけることが多いそう。カラフルで自由な表現の世界がとっても素敵で癒されます。これからもこどもたちの成長に合わせて、たくさんの思い出とともに表情を変えていくことでしょう。
窓にはお気に入りの物を並べて
カメラマンというお仕事柄、「光」にこだわりのある麻利沙さん。自然光をたくさん取り入れるために、各お部屋に腰窓をたくさん設置しています。それぞれの窓の前のスペースを生かし、自分で買い集めた物や贈り物、こどもたちが作った作品など、かわいい小物を飾っています。小さなフラワーベースには季節の花を飾り、お部屋にいろどりを与えています。
2Fのスタジオに続く螺旋階段にも採光用に小窓を付け、そこには家族の写真が。こどもが生まれる前は家に写真を置くことがなかったそうなのですが、写真を飾ることでこどもたちが「大切にされている」と感じるという事を知り、それ以来飾るようになったそうです。
ベースはとことんシンプルに、無垢材の家具と自然の光ををうまく取り入れたやさしく心地よい空間に仕上がった麻利沙さんの家。こどもたちを中心とした生活の息づかいを感じるこの空間にとても癒されました。
皆さんも、ぜひお部屋づくりの参考にしてみてください。
嶋本麻利沙
サンフランシスコのアートスクールで写真を学び、卒業後ニューヨークへ。作品撮りをしながらMark Borthwickのインターンをし、2005年帰国。帰国後写真集、「as is」を出版。その後フリーで雑誌、カタログ、CDジャケット、広告などにてポートレート、風景を中心に活動。2011年よりマネジメント事務所THYMON Inc.に所属。その後も個展やグループ展で作品を発表し続け、2014年夏にPola Museum Annexで個展を開催。2022年に残したい写真を撮るというコンセプトでanne baker studio をオープン。
駒沢公園近くの写真スタジオ。
人は忘れっぽい生き物だと思います。
覚えているだろうと思ってもやっぱり忘れてしまう。
だから写真に残すということはとても大切なことのような気がします。
アン・ベーカースタジオは皆さんが残したいと感じた何かを写真で撮りたいと思い始めました。いつもよりちょっとだけ特別な写真を。
関連商品
撮影/嶋本麻利沙
取材/TC編集部 T