Le regole delle buono cucina

第6回「アクアコッタ」の巻

プロに教わる!おいしいの法則・2023.12.15

食べるの大好き。料理はそんなに得意じゃないけど、ワインやビール片手にチャチャッとおいしいものを作りたい。そんな方に贈る『プロに教わる!おいしいの法則』。

教えてくれるのは、三軒茶屋にあるシンプルで食べ飽きない料理とナチュラルワインが人気のイタリアンレストラン「ブリッカ」の金田シェフ。

「気分がアガるイカした道具を使って、手軽においしい料理を作りたい!」とお願いしたところ、「見た目はもちろん機能もばっちり! の道具とおもてなしにぴったりの料理」を紹介してくれた。

【今回のメインツール】

Homeland
信楽焼 土鍋

「使い勝手がよく、長く使いたくなるキッチンツール」をコンセプトに日本各地の作り手と共同開発しているオリジナルブランド、Homeland。そのHomelandより発売した土鍋は日本六古窯の一つ、信楽で作られています。琵琶湖から採れる信楽の土は中に空気の層をたくさん含んでいるため、蓄熱性が高いのが特徴。さらに、遠赤外線効果のあるラジウム鉱石も含まれているので、鍋料理だけでなく、煮込み料理、炊飯もおいしい。ざっくりとした風合いは温かみがあることからも人気です。

やさしく、ゆっくり火を通す土鍋で
野菜もパンもくたくたに!

アクアコッタはかたくなったパンをおいしく食べる料理で、パンや野菜をくたくたになるまで火を通すのがセオリー。土鍋は素材にゆっくり、やさしく火を通すため、この料理にぴったり。保温性が高い土鍋なら、そのままテーブルにオンしてセルフで好きなだけ取り分けるのもいいよね。この鍋のお気に入りポイントはたくさんあって、ひとつは土鍋として珍しい緋色。この色は土鍋で表現するのが非常に難しい、と聞き、ますます気に入ってしまった! そして、持ち手がないところ。持ち手があると、収納する際に邪魔になっちゃうんだよね。縁が広いので、持ち手がなくても持ちにくさはまったくなし。

#Recipe

アクアコッタ&
鶏もも肉の香草パン粉焼き


材料と作り方(4人分)
―――
アクアコッタの野菜
|かぶ 小6個
|ほうれん草 1束
|ブロッコリー 1個
|玉ねぎ 1個
―――
鶏もも肉 2枚(600g)
フランスパン(かたくなったものでOK) 100g
塩 小さじ2
オリーブペースト(市販) 大さじ2
 →オリーブペーストがない場合は、
  黒オリーブを細かく刻んで使う

パン粉 大さじ2
―――
*小さじ1=5㎖、大さじ1=15㎖、1カップ=200㎖です。

① 鶏肉に塩を振る
鶏もも肉に塩を振り、ラップをかけて室温に20分ほどおく。

〈おいしいの法則①〉
塩を振ってしばらくおくのには、2つの理由がある。1つは肉に塩味をつけるため。2つは、うまみを引き出しやすくするため。プジョーのミルはタイムレスなデザインはもちろんのこと、好みの粒の大きさに粗さ調節ができるのがいいよね。使い込むほどに手になじむのもおすすめポイント。

② 野菜を切る
かぶは茎を落とし、皮をむかずに縦6等分に切り、茎はざく切りにする。ほうれん草はざく切りにする。ブロッコリーは小房に分け、茎は皮を厚めにむいて薄く切る。玉ねぎは縦4等分に切り、横1㎝幅に切る。パンはざく切りにする。

〈おいしいの法則②〉
野菜はくたくたになるまで煮るので、ざくざくと刻めばOK。ブロッコリーとかぶの茎も残さず、使うよ~。野菜をたくさん切るときも、面が広くてしっかりしているHomelandの菜切り包丁なら作業がスムーズ。この包丁、老舗メーカーのこだわりの火入れにより、バツグンの切れ味が長持ち。刃当りがやわらかく、包丁の刃をより長持ちさせてくれる檜のまな板と一緒なら、さらに使いやすさバツグン。

Homeland 菜切り包丁セット

③ 土鍋で鶏肉を煮る
土鍋に水1ℓ、の鶏肉を皮目を下にして入れ、ふたをしてごく弱火で30分煮る。途中、アクが出たら取り除く。

〈おいしいの法則③〉
鶏肉の身は火が入るとしまってしまうので、皮目を下にして入れるのがコツ。こうすると、皮がクッションになって肉の身にやさしく火が通るんだ。鍋は土鍋がおすすめ。土鍋はまず鍋自体が温まり、鍋全体から素材に火を通すため、素材にやさしく火が入る。そのため、肉もしっとりやわらかく仕上がるよ。

Arte Legno トング

④ 鶏肉のゆで汁で野菜をゆでる
鶏もも肉に火が入ったら取り出し、耐熱容器に皮目を上にしてのせる。土鍋にの野菜を入れ、ふたをして野菜がくたくたになるまで中火で煮る。

〈おいしいの法則④〉
そもそも鶏肉をゆでたのは、野菜をおいしくゆでるための”おいしいだし”が欲しかったから。だしをとるには火が通りやすい鶏肉を……と考えたわけです。なので鶏肉のゆで汁に野菜を入れ、沸騰している状態を保ちながら野菜がくたくたになるまで煮よう。土鍋なら、鍋物同様やさしく野菜に火が通るよ。

⑤ パンを加えて煮る
野菜のカサが減ったら、パンをちぎって加え、水分が少なくなったら足して、計1時間30分ほど煮る。

〈おいしいの法則⑤〉
アクアコッタはそもそも、かたくなったパンをおいしく食べるために考えられた料理。イタリア人のもったいない精神からできた料理なのだ。肉と野菜から出たうまみをギューッと吸い込んだ、パンのおいしさといったら! この土鍋は持ち手がなく、色も土鍋には珍しい色合いで、和風以外の料理も違和感なく受け止めてくれるところもいいね。

⑥ 鶏肉をオーブンで焼く
野菜を煮ている途中で、の鶏肉の表面にオリーブペーストを塗り、パン粉をのせて220℃に予熱したオーブンで15分焼く。

〈おいしいの法則⑥〉
鶏肉は中まで火が通っているので、表面を香ばしく焼けば完成! 耐熱容器には、パイレックスのスクエアオーブンディッシュを使用。-40℃~300℃まで耐えられる器だから、とにかく用途が広い。オーブン調理、電子レンジ調理はもちろん、冷蔵庫で冷やすのもOK。もちろん、サラダの器としても! シンプルなデザインはどんな料理もおいしく見せてくれる。

PYREX スクエアオーブンディッシュ
#Recipe

じゃがいもアンチョビバター


材料と作り方(4人分)

―――
じゃがいも 2個(300g)
 →7~8㎜幅に切る
塩 少々
アンチョビーフィレ 7枚
バター 5g角×10個
―――

① 耐熱皿にじゃがいもを入れ、ラップをかけて電子レンジ500Wで8分加熱する。竹ぐしを刺してスーッと通るくらいになればOK。

 に塩を振り、耐熱皿ごと220℃に予熱したオーブンで5分ほど焼く。水分がとび、ホクホクになったらOK。

 にバター、アンチョビーをのせる。

”Mangiamo”
献立のポイント

鶏肉をゆでた汁で野菜を煮るから、一度で二度おいしい! 難しいワザも必要ない時間まかせの料理は、覚えておくと何かと便利。週末のディナーはもちろん、ちょっとしたおもてなしにもおすすめの料理です。「じゃがいものアンチョビバター」を合わせたのは、チキンとポテトは相性バツグンだから! 鶏肉をオーブンで焼いている途中でじゃがいももオーブンに入れ、同時に焼き上げると段取りよく作れます。

Peróのソムリエールがセレクト!
今月のワイン

クリスマスや年末年始などの特別な日に合わせて、ワインもスペシャルなものを選びました。1本目は乾杯気分を盛り上げてくれる華やかなシャンパーニュ! 白、赤は同じワイナリーのワインで、どちらも気品あふれる味わいです。じっくりとそれぞれを楽しんでもいいし、家族や友人とのパーティで、アクアコッタのようなお鍋を食べながら白→赤と通して味わうのもおすすめです。

金田真芳(かねだ まさよし)さん

「Bricca(ブリッカ)」&「Però(ペロウ)」オーナー兼料理長。都内イタリアンレストラン数店に従事し、2010年三軒茶屋にイタリアンレストラン「Bricca」開店。小学校のころからラーメンの”味変”を楽しむなど料理に興味津々。高校卒業後、料理の道へ。「イタリアンをベースに、自分の興味に素直に、自分が食べたい作りたい料理を作っていきたい」と語る。著書に『うち飲みワインのおいしいつまみ』(Gakken)がある。

Bricca|Instagram

熊本千絵(くまもと ちえ)さん

ワインストア&ワインスタンド「Però(ペロウ)」ソムリエール。都内イタリアンレストランでサービスに従事し、2020年より「Però」スタッフに。ワインは全く飲めなかったが、「飲める」「体が受け入れる」ワイン……自然な環境下で育ち、ケミカルなものに頼らず醸造したもの……との出会いからナチュラルワインの世界へ。「ワインは体に負担なく飲み進められるものかどうかが大切な気がします」。

Peró|Instagram

もっと詳しく知りたい方は…

人気のナチュラルワインにも造詣の深い三軒茶屋のイタリアン『Bricca』の金田真芳シェフによるレシピ本『うち飲みワインのおいしいつまみ』(Gakken)販売中です。
手軽に作れるカジュアルなイタリアンレシピが満載です!!
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撮影/上端春菜(bean)
構成・文/飯村いずみ
アートディレクション/小橋太郎(Yep)

プロに教わる! おいしいの法則