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【料理家・橋本彩子さん】

魚介と果物のおいしい関係

料理家のきょうの食卓・2023.08.18
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【料理家・橋本彩子さん】

魚介と果物のおいしい関係

料理家のきょうの食卓・2023.08.18

料理のプロで活躍する料理家のご自宅やアトリエにはどんなこだわりが潜んでいるのでしょう。実際にお邪魔してその秘密をご紹介します。前回に引き続き「Food Letter」を主宰する橋本彩子さん。築地市場や豊洲市場に足を運んで食材選びをするので市場通の料理家として知られ、旬にこだわった美しい料理に心奪われます。

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私の好きな本のこと

[写真右]『懐石サントリー』(淡交社)/スタイリストさんから紹介してもらって購入した一冊。サントリーオールドに合う懐石風のおつまみと共に、印象的なキャッチコピーと迫力ある写真が魅力です。

[写真中央]『向田邦子の手料理』(講談社)/母が好きだった向田邦子さんの小説やドラマを私もよく読んだり観たりしていました。特に向田さんが描く食卓の情景が好きで、心に深く残っています。

[写真左]『Van Gogh(ゴッホ/ちいさな美術館)』(青幻舎)/私の尊敬するゴッホの小さな画集です。ページをめくるたび心が癒されます。

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小さいものが好き

ミニチュアのキッチンはドイツのお香立て。レシピを書くときやレッスンのあと、お茶の時間に焚いて癒されています。ヴィンテージの葉っぱのタイルは箸置きに使っています。ガラス製の茶器やおちょこ、瓢箪など、ミニサイズのものをアトリエのあちらこちらに飾って楽しんでいます。

料理教室のこと、
これからのこと

アトリエをオープンしてから、教室に足を運んでくださる生徒さんたちとの距離が格段に近く感じられるようになりました。生徒さんたちとは手紙のやり取りをしているような感覚で繋がっていきたい! それが私の願いです。料理を食べる喜びだけなく、料理を作るための小さな作業がおいしさにつながることを生徒さんたちには知ってほしいと思っています。今後は料理教室だけでなく、プライベートレストランでも私の料理を楽しんでいただけるるようにします。料理は私の情熱であり、自己表現の手段でもあるので、一人でも多くの方々にその魅力や味わいを共有していただけることが私の喜びでもあります。これからも精力的に食の輪を広げ、日々の努力を惜しまずに鍛錬していきたいと思っています。

今回ご紹介する
橋本さんのご自慢レシピ

今回はレシピを2つご紹介します。どちらも魚とフルーツを組み合わせた料理です。おいしい果物が豊富なこの季節、わずかな手間でさっぱりとした一品を楽しむことができます。簡単にできるので、ぜひ作ってみてください。

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#Recipe
鯵のオレンジ南蛮漬け
魚と野菜は同じバットで漬け込むのが私流。
薄口しょう油とマスタードで下味をつけることで魚の臭みを消す効果があります。
オレンジのさわかやな風味が口のなかに広がります。

材料(2人分)
鯵(中) 3尾
オレンジ(写真はタロッコオレンジを使用) 1〜2個
にんじん(オレンジ・黄) 各1/3本
玉ねぎ(あれば新玉ねぎ) 1/2個

【A】
オレンジの搾り汁 1個分
米酢 大さじ3
はちみつ 大さじ1
塩、こしょう(白) 各適量

【B】
フレンチマスタード(または粒マスタード) 小さじ1/2
薄口しょう油 小さじ1/2

片栗粉 大さじ2
米油 適量

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バットに【A】を合わせ、薄切りにした玉ねぎとせん切りにしたにんじんを入れて混ぜ、しんなりするまで冷蔵庫で冷やしておく。

鯵は3枚に下ろし、塩をふって15分おき、キッチンペーパーで水分をふく。

ボウルに【B】とを入れ、かるく揉み込む。鯵を取り出して片栗粉をまぶす。

④①を冷蔵庫から取り出し、野菜をバットの端に寄せる。

180℃に熱した米油でをきつね色になるまで揚げ、すぐにの漬け汁に漬ける。粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やす。

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#Recipe
かじきまぐろのスパイス揚げ パイナップルと新しょうがのソース
新しょうがと完熟のパイナップルの相性は抜群。
鶏の唐揚げなどにもおすすめのソースです。
新しょうががない時期はしょうがの搾り汁を使いましょう。

材料(2人分)
かじきまぐろ(切り身) 2切れ
パイナップル(完熟のもの) 1/4個
新しょうがのみじん切り 30g
*新しょうががないときは、しょうがの搾り汁大さじ2にする。
片栗粉 適量
米油 適量
ライム 1個
クミンパウダー 小さじ1/2
バイマックルー(こぶみかんの葉・乾燥) 約3枚

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かじきまぐろは大きめのひと口大に切る。パイナップルは5㎜角に切る。

バットにのパイナップルを大さじ2程度を広げ、クミンパウダーの半量、細かくちぎったバイマックルーの半量を広げ、かじきまぐろを並べてのせる。その上から同様にパイナップル大さじ2、残りのクミンパウダーとバイマックルーを順に広げ、ラップをピッタリとかけて冷蔵庫で1時間ほどマリネする。

ボウルに残りのパイナップル、新しょうが、ライムの搾り汁を入れて混ぜあわせ、30分ほど置く(水分が出てきてソースになる)。

④②
のかじきまぐろを取り出し、片栗粉をまぶしして、180℃に熱した米油できつね色になるまで揚げる。

器にを盛り、好みでくし形切りにしたライムを添える。

橋本さんおすすめの TIMELESS COMFORT アイテム

Homeland 鉄フライパン

今回使用したのは、深型の鉄フライパンです。鉄製でありながら非常に軽く、さらに高さがあるため、揚げ物をする際にも油が飛び散りにくいという利点も。

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琺瑯

琺瑯は細菌が繁殖しにくく、塩や酸にも強いため、マリネや漬け物を保存するのにぴったり。色移りやにおい移りの心配もありません。

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ラタン

見た目も涼やかなラタンアイテム。通気性が優れているため、食材の保存用のカゴとして使用するのもおすすめです。また、ラタンは環境に配慮されており、持続可能な素材として注目を浴びています。そのため、エコフレンドリーな選択肢として高く評価されています。

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橋本彩子

料理家・栄養士。『FOOD LETTER(フードレター)』主宰。短大を卒業後、食品メーカーに勤務。その後、ケータリング&フードユニット『CUEL(キュール)』に7年間在籍後、独立。『ル・コルドンブルー』でフランス料理の基礎を学ぶ。食材のおいしさと彩りあふれる美しい盛りつけに定評がある。現在はおもに雑誌や広告などのフードスタイリングで活躍中。2022年、東京・新富町にアトリエをオープンし、料理教室、プライベートレストラン(現在は紹介制)など、精力的に活動中。

【料理教室のご案内】
橋本さんの料理教室では生徒さんを随時募集しています。詳しくは、インスタグラム@saiko_hashimotoをフォローの上、DMにてメッセージをお送りください。プライベートレッスンは3名から受け付けております。

撮影/上端春菜(bean) 
アートディレクション/小橋太郎(Yep)