Le regole delle buono cucina

第4回「サルティンボッカ」の巻

プロに教わる!おいしいの法則・2023.09.21

食べるの大好き。料理はそんなに得意じゃないけど、ワインやビール片手にチャチャッとおいしいものを作りたい。そんな方に贈る『プロに教わる!おいしい法則』。

教えてくれるのは、三軒茶屋にあるシンプルで食べ飽きない料理とナチュラルワインが人気のイタリアンレストラン「ブリッカ」の金田シェフ。

「料理初心者でも作れる、オシャレで気の利いた料理が知りたい!」と無理目のお願いをしたところ、シェフのモットーである「食材のもっともよいところを皿に表現する」料理でありながら、「シンプルで誰かにふるまいたくなる」料理を紹介してくれた。

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第4回目は
「ラム肉のサルティンボッカ」。
本格的! でも実は簡単な一品!
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~今回のメニュー~
ラム肉のサルティンボッカ きのこマルサラソース
オリーブフライ
ブルーベリージャムのガーリックトースト

おいしいの法則①

カタカナ料理で、
ゲストの好奇心をくすぐろう!

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サルティンボッカって知ってる? 何を隠そう、これれっきとした料理名。仔牛もも肉にセージをのせて生ハムで巻いてソテーし、白ワインとバターを乳化させたソースで風味をつける、ローマ・ラツィオ州の郷土料理です。肉は仔牛の代わりに鶏むね肉や豚ヒレ肉などの脂身が少ない肉でもよく、要はパサつきやすい肉に生ハムやバターで脂を補って食べる、なんとも心憎い料理なのだ。今回は秋をイメージし、きのこのソテーも添えて。材料さえ揃えたら失敗なく作れ、見た目もオシャレ。ぜひ、覚えて欲しいな~。


おいしいの法則②

失敗なし!
覚えておきたいバリエーション豊富なサルティンボッカ

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サルティンボッカは誰でも間違いなくおいしく作れる。これ、ほんと! あえてコツを探すなら、「❶肉に粉を薄くまぶして糊代わりにし、セージをのせて生ハムで巻いたら再び小麦粉をまぶしてうまみを閉じ込める」「❷巻き終わりを先に焼きつける」の2つ! これさえ守れば必ずおいしく作れる。肉以外にも、魚なら白身魚や青魚系と相性がよく、たけのこなどの野菜に生ハムを巻いてもよし。生ハムの塩味で食べるから、味つけも失敗知らずなのだ。

#Recipe

ラム肉の
サルティンボッカ
きのこマルサラソース


材料と作り方(2人分)
―――
ラム肉(焼き肉用) 6~7枚(200g)
生ハム 4~5枚
セージ 3~4枚
しめじ 80g
マッシュルーム、エリンギ 各70g
小麦粉 適量
オリーブ油(ピュアオイル) 
 大さじ2
塩 少々
マルサラ酒*(なければ白ワイン) 
 大さじ4
水 1/4カップ
バター 8g
オリーブ油(EX.) 適量

マルサラ酒 シチリアの地酒。今回はヴェッキオ・サンペーリを使用。
―――

きのこ類は石づきを落とし、食べやすい大きさに切る。ラム肉は小麦粉を薄くまぶし、セージをちぎってのせ(セージ1枚で肉約2枚分)、生ハムでくるんで小麦粉をまぶす。

フライパンにオリーブ油(ピュアオイル)大さじ1を熱し、きのこの両面を強火で焼きつけ、塩を振り、取り出す。

③ ②のフライパンにオリーブ油(ピュアオイル)大さじ1を足し、のラム肉の生ハムの巻き終わりを下にしてのせ、強火で動かさずに焼きつける。焼き色がついたら返し、もう片面も焼きつける。

④ ③のフライパンにのきのこを戻し入れる。マルサラ酒を加えて煮立て、アルコール分が飛んだら分量の水を加え、ラム肉ときのこを返しながらなじませる。バターを加え、バターが溶けてソースがとろっとしてきたら全体に煮からめる。

器に盛り、オリーブ油(EX.)をかける。

マルサラワインを使ったのは、乳製品と相性がよく、コクが出るから。今回使用したヴェッキオ・サンぺーリはアルコール&モルトを添加していないため、正式には「マルサラワイン」を名乗れないが、豊かな風味がすばらしい。

おいしいの法則③

超簡単! おつまみに最適!
オリーブフライ

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オリーブってそのまま食べてもおいしいけれど、ひと手間かけてフライにしてみたら、なんともワインに合うつまみになる。もともとイタリア料理のマルケ地方に、オリーブにひき肉などを詰めた料理があるが、ひき肉を詰めるのは少し手間がかかると、そのままオリーブにフライ衣をつけて揚げてみたところ……一つ口に頬張ると、また一つ、もう一つと手が伸びる! ゆっくり揚げると水分が出てきて塩味が強くなるので、さっと短時間で揚げるのがコツ。ソース代わりに温玉をからめてみたら濃厚さが加わり、これまた合う~。

#Recipe
オリーブフライ


材料と作り方(2人分)

―――
グリーンオリーブ(種抜き) 20個 
――― 

|小麦粉 40g
|水 80㎖
|パン粉(細かいもの) 適量 
――― 
揚げ油 適量
温玉(市販) 1個
――― 

小さなボウルに衣の小麦粉、分量の水を入れて混ぜる。

オリーブに、パン粉の順に衣をつけ、170℃の揚げ油に入れ、薄く茶色に色づくまで揚げる。

器に盛り、温玉をソースにして食べる。

エッグスタンドにフライのソース、温玉を入れて。Arte Legnoのオリーブ製のエッグスタンドは温かみがあるのも魅力。

おいしいの法則④

ガーリックトーストにジャム!?
これで、エンドレス!!

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そのままでも十分おいしいガーリックトーストにジャムをのせるのは、献立全体を考えてのこと。サルティンボッカは生ハムの塩けが利いた料理、オリーブフライも塩けと酸味が強い。ならば、何かで甘みをプラスしよう、と考えたのだ。ジャムをたっぷりのせると、甘みが塩味を呼び、塩味が甘みを呼んで……エンドレス!! ジャムをのせるときは、にんにくを強めにこすりつけるとよりおいしくなるよ。

#Recipe

ブルーベリージャムの
ガーリックトースト


材料と作り方(2人分)

―――
バゲット 適量
にんにく 1/2かけ 
オリーブ油(EX.) 適量
ブルーベリージャム(市販) 適量
粗びき黒こしょう 適量
―――

バゲットは1.5~2㎝厚さに切る。

オーブントースターで①をこんがりと焼く。

③ ②ににんにくの切り口をこすりつけ、オリーブ油をかけ、ブルーベリージャムをのせ、粗びき黒こしょうを振る。

Robert Herderのブレッドナイフは切れ味バツグン! ハードなパンもスパッとストレスなしに切れる。持ち手の美しさも手伝い、使うのが楽しくなるナイフ。

オリーブの木目が美しい、Arte Legnoナチュラルカッティングボードはパンを切るのはもちろん、盛りつけにも活躍!

”Mangiamo”

献立のポイント

サルティンボッカ、オリーブフライの塩味に、ガーリックトーストのジャムの甘みが加わると、味のバランスがよくなる。色のトーンからも秋を感じさせる、シックな献立にワインが進む!

Peróのソムリエールがセレクト!
今月のワイン

→写真左
名称:イヌラ ビアンコ2021
種類:
生産者:イヌラ
地域:イタリア エミリアロマーニャ
ぶどうの品種:グレケット・ジェンティーレ
価格:4,290円(税込)
コメント:ワイナリー名の「イヌラ」は、秋に花を咲かせる野草の名前から。蜜蜂にとって重要な花粉をつけることから、小さいながらも生態系の中で大きな役割をもつ存在に、との思いでつけたといいます。このワインはとても穏やかでありながら、飲み進めるうちにたくさんの要素が浮かび上がります。それらがハーブやスパイスと結びついて、お料理を豊かに引き出してくれます。ぶどうはスパークリングとしてもよく使われる品種で、程よい酸味とほのかなタンニンがフライなどの油を使った料理と相性よしです!

→写真右
名称:サッコレット・ダニエーレ
種類:
生産者:バルベーラ”フォルナーチェ”2015
地域:イタリア ピエモンテ
ぶどうの品種:バルベーラ
価格:3,300円(税込)
コメント:秋になると深みのある料理が多くなるので、ワインも少し熟成感があるものがおすすめです。味わいがまろやかなものなら、料理と合わせたときにフィットしやすいのです。ワインはぶどうをブレンドせず、単一(一種類のぶどうのみ)で造られているものを選びました。肉類、きのこ、ハーブなど、うまみや香りの要素が多い料理もひとまとめにしてくれるようなシンプルな味わいの赤ワインです。このバルベーラという品種は果実感もたっぷりありつつも優しい酸もあるので、ブルーベリーとの相性は悶絶級だと思います♥️

金田真芳(かねだ まさよし)さん

「Bricca(ブリッカ)」&「Però(ペロウ)」オーナー兼料理長。都内イタリアンレストラン数店に従事し、2010年三軒茶屋にイタリアンレストラン「Bricca」開店。小学校のころからラーメンの”味変”を楽しむなど料理に興味津々。高校卒業後、料理の道へ。「イタリアンをベースに、自分の興味に素直に、自分が食べたい作りたい料理を作っていきたい」と語る。

Bricca|Instagram

熊本千絵(くまもと ちえ)さん

ワインストア&ワインスタンド「Però(ペロウ)」ソムリエール。都内イタリアンレストランでサービスに従事し、2020年より「Però」スタッフに。ワインは全く飲めなかったが、「飲める」「体が受け入れる」ワイン……自然な環境下で育ち、ケミカルなものに頼らず醸造したもの……との出会いからナチュラルワインの世界へ。「ワインは体に負担なく飲み進められるものかどうかが大切な気がします」。

Peró|Instagram

もっと詳しく知りたい方は…

人気のナチュラルワインにも造詣の深い三軒茶屋のイタリアン『Bricca』の金田真芳シェフによるレシピ本『うち飲みワインのおいしいつまみ』(Gakken)販売中です。
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撮影・動画/上端春菜(bean)
構成・文/飯村いずみ
アートディレクション/小橋太郎(Yep)

プロに教わる! おいしいの法則