土鍋は蓄熱性が高く、余熱調理ができるのが利点。ご飯はもちろん、煮物や蒸し物などもおいしく仕上がるので、長く大切に使いたいものです。そこで、ちょっとした注意点やお手入れ法をご紹介します。
Homelandの土鍋って?
Homelandの土鍋は、信楽焼の窯元「松庄」の熟練の職人によってつくられます。信楽焼は、琵琶湖の恵みが詰まった良質で粗めの土と、複数の粘土などを混ぜ合わせたコシの強い陶土でつくるため、耐火性にとても優れています。見た目は柔らかくてあたたかい表情ですが、焼きしめる際の温度などによって、色や模様が微妙に変化するため、豊かな表情を醸し出すのが魅力です。
最初に使うときは目止めを!
土鍋は粗い陶土でできているため、表面には小さな気孔があいています。最初に使うときは、この気孔にでんぷんを詰めて目止めをし、水漏れを防ぎます。そのため、使用前に米の研ぎ汁ではなく、粘度の高いお粥を炊いて、お粥のでんぷんで目止めを行うことが大切です。
【目止めのやり方】
① 土鍋の八分目まで水を入れ、水量の1/5程度のお米を加える。
② 蓋をして弱火にかけ、ふきこぼれないように注意しながらお粥を炊く。
③ 炊き上がったら火を止め、そのまま冷ます。
④ お粥を取り出して土鍋を水洗いし、しっかり乾かす。
◉水は八分目、米は水量の1/5程度。
◉ふきこぼれないよう注意してください。
◉目止めで作ったお粥も食べられますよ。
使用後はしっかり乾燥を!
土鍋を使ったあとは、手早く洗って乾いたふきんの上に、土鍋をふせて(底が上になるように)置き、風通しのいいところでひと晩、しっかりと乾燥させます。乾燥が不十分だと、かびや目詰まり、ひび割れの原因になるので注意してください。また、熱くなった土鍋を急冷したり、つけおき洗い(長時間水桶に浸けておく)をするのは厳禁です。もしつけおき洗いをした場合は、通常よりさらにしっかりと乾燥させてからご使用ください。
焦げつきには重曹が有効!
少しの焦げつきなら、水を入れて沸騰させ、しばらくおいてから洗えばきれいに取れます。頑固な焦げつきの場合は、鍋の八分目まで水を入れ、重曹を大さじ1程度加えて沸騰させ、火を止めてそのまましばらくおいてから洗うときれいに取れます。ただし、重曹を使ったときは、再度目止め(最初に使うときの作業)を行ってください。また、鍋についた匂いが気になるときは、鍋の八分目まで水を入れ、レモンの搾り汁を1/2個分程度加えて沸騰させ、火を止めてそのまましばらくおいてから洗うときれいに取れます。この場合は目止めはしなくて大丈夫です。
【取り扱うときに注意すること】
- IH調理器では使えないのでご注意ください。
- 天ぷらやフライなどの揚げ物をするのは危険なので、絶対に使用しないでください。
- 加熱中や調理後の土鍋は大変熱くなっているので、火傷にご注意ください。
- 土鍋をテーブルなどに直接置くと、天板に傷がつく恐れがあります。引きずらないように注意してください。食卓に鍋ごと置く場合は、必ず鍋敷きなどをご使用ください。
撮影/上端春菜(bean)
アートディレクション・文/小橋太郎(Yep)