タイムレスコンフォートが誇る人気家具、XANDER DESIGNS(サンダーデザイン)のJULIE SIDE BOARD(ジュリーサイドボード)を舞台に、インテリアスタイリストとして活躍する河野亜紀さんにセンスよく“飾る”コツを指南して頂きます。現代の“床の間”、“置き床”として、暮らしを彩る場となるのがサイドボードのような低めの家具。収納としてだけでなく、その上を好きなものや季節のものを飾る場として活用したいもの。「でもどんなふうに飾ればいいの?」「センスよく飾るには?」とお悩みのかた、河野さんによる2つのスタイリング例をぜひ参考になさってください。
本好き、
もの好きな人のための
サイドボードまわり
使用したのはジュリーサイドボードのホワイトオーク。ホワイトオークは、船の床やワインの樽などにも使用されてきた耐久性・耐水性に優れた木材です。明るく上品な色合いの木目が、程よく力の抜けたナチュラルなインテリアやモダンなインテリアにぴったりです。
最初のスタイリングはもの好き、本好きな女性を想定しています。「イメージしたのは『好きなものは飾って眺めて暮らしたい』人。ものをこよなく愛し、出会ってしまったら最後、家に連れて帰ってこないわけにはいかない、そんな女性の愛するものに囲まれたリビング、サイドボードまわりです。ミニマリストの逆をいく暮らしですが、住み手の「好き」というフィルターを通して集められたものはなんとなく統一感があって、見ているだけで楽しいもの。素敵に飾ってあればなおさら!本人はもちろん、訪れた人だって、ワクワクするはずです」と河野さん。
※仕様変更のため一時欠品中。次回入荷は9月中旬予定です。
早速、飾りかたのセオリーを解説します。
「飾る時は、色もしくは素材のテーマを決めておくと、ものが多くてもすっきりと洗練されて見えます。今回のテーマは「天然素材」そして「アースカラー」です。オーク材のサイドボードに合わせた色合い、アースカラーの天然素材のアイテムを集めて飾っていきます」。

オニキスとトラバーチンでできた天然石のコンポート、白樺の皮を巻いたLEDキャンドル、木製のキャンドルスタンド、流木のオブジェなど、石、木、陶器と天然素材でできたものだけに絞り、さまざまなアイテムを並べていきます。色合いはサイドボードのオーク材をベースカラーとして、同系色のアースカラーでまとめて。そこに、有機的なフォルムのドライフラワーをオブジェがわりにあしらったり、またフレッシュな観葉植物をあしらうと途端に生き生きとして見えてきます。
中央のガラスドーム&葉を載せたキャンドルホルダーを頂点、中心として、おおよそ2等辺三角形になるように、小物を置いていきます。


本や雑誌はカゴに収納。かごやシェーカーボックスなど収納グッズもアースカラーの天然素材で統一します。
サイドボードの両側には高さのあるものを置いてバランスを取ります。向かって左側には、天然ラタンのかごめ編みから優しい光がこぼれるスタンドランプを。反対側には、プリミティブな木製のはしごをオブジェのように飾りました。
「ポイントは、ビビッドな色やプラスティック素材のものを取り入れないこと。あくまでナチュラルな素材と色でまとめ、できるだけ異なる素材のものをたくさん重ねていくと、趣きと奥行きのある素敵なディスプレイになります」。

多趣味な人のための
サイドボードまわり
次は、旅と植物、ギターが好きな男性の部屋を想定したスタイリングです。「こちらも、旅先で出会ったものを持ち帰って飾ったり、ついつい増えてしまう観葉植物やアートを並べて愛でるのが好きな『趣味にまつわるもの、好きなもの飾って眺めて暮らしたい』人をイメージ。趣味のギターもすぐ弾けるようにサイドボードの横に置き、アームチェアに座ってそれらを眺めながらくつろぐのが至福の時。男性の趣味とロマンが詰まった、そんなリビングです」と河野さん。
テーマは趣味にまつわるもの、旅先から持ち帰ったものを飾ること。サイドボードの深いブラウンに合わせた色合いに、「黒」そして植物の「グリーン」を効かせてシックにまとめています。
使用したのは、ジュリーサイドボードのポプラ材。脚部のみラバーウッドを使用しています。木目の美しいポプラ材を、深みのある色合いに仕上げ、ミッドセンチュリー期の家具を彷彿とさせる高級感と重厚感が漂います。
向かって右端のアートを直角三角形の頂点となるように、左に向かって徐々に高さが低くなるように飾っていきます。


額縁、シェーカーボックス、ランプのシェードとところどころに黒を効かせ、ピリッと引き締めています。全体的に濃い色合いでまとめているので観葉植物も深めのグリーンの葉色を選ぶのがおすすめ。
旅先から持ち帰ったカゴや布、壺と天然素材のアイテムをサイドボード横に飾ります。


鏡には、空間や景色が映り込むことで広がりを感じる視覚効果も。また、窓のない壁面に鏡を置けば、光を反射してまるで窓があるかのように明るく感じられたり、夜は照明が映り込んで美しく見えるなど、ただの姿見としてだけでなくインテリア的にも効果大です。
サイドボードの前にラグを敷き、アームチェアやサイドテーブルを置けば、魅力的なコーナーが完成します。
「鏡を姿見としてだけでなく、インテリア小物としても活用してみて下さい。好きなものが写り込んでいる様子は、眺めていてもいいものですよね。サイドボードまわりに好きなものを飾ったら、その前にお気に入りのアームチェアを置いてみるのもおすすめです。お酒やコーヒーを飲みながら、旅の思い出に浸り、植物や趣味のものを眺めて過ごせるコージーなコーナーを作り、家時間を楽しんでみてはいかがでしょう」。

河野さんのスタイリングによる2例、いかがでしたでしょうか?「サイドボード上に並べた時に、二等辺三角形や直角三角形になるようにおおよその輪郭を作ること。そして、色や素材感に統一性を持たせること。それだけでぐんと垢抜けたディスプレイが完成します。ぜひ、ジュリーサイドボードを舞台に、実践してみて下さい」。

インテリアスタイリスト 河野亜紀さん
インテリアや料理のテーブルコーディネートなど、暮らしまわりのスタイリングを手がける。雑誌をはじめ、広告、書籍など幅広く活躍する。
スタイリングに使用したアイテム
撮影/福田喜一
スタイリング/河野亜紀
構成・文/鈴木奈代
アートディレクション/小橋太郎(Yep)