Le regole delle buono cucina

第3回「イタリアンハーブカレー」の巻

プロに教わる!おいしいの法則・2023.07.14

食べるの大好き。料理はそんなに得意じゃないけど、ワインやビール片手にチャチャッとおいしいものを作りたい。そんな方に贈る『プロに教わる!おいしい法則』。

教えてくれるのは、三軒茶屋にあるシンプルで食べ飽きない料理とナチュラルワインが人気のイタリアンレストラン「ブリッカ」の金田シェフ。

「料理初心者でも作れる、オシャレで気の利いた料理が知りたい!」と無理目のお願いをしたところ、シェフのモットーである「食材のもっともよいところを皿に表現する」料理でありながら、「シンプルで誰かにふるまいたくなる」料理を紹介してくれた。

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第3回目は
「イタリアンハーブカレー」。
夏にぴったりの一品!!
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~今回のメニュー~
イタリアンハーブカレー
 レモンバジルこしょう添え
タブレ
ペコリーノサラダ

おいしいの法則①

夏といえば、
カレーでしょ!!

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7月にお届けする料理は何にしよう? 夏、夏……と考えていたら、日差しが燦燦と差し込む、陽気な街を思い出した。よ~し、今回のテーマは「シチリア」に決定! で、夏といえばやっぱりカレーでしょ! ということで、イタリアにカレーがあるとしたらこんな感じかな~とスパイスとハーブを利かせた煮込み料理をイメージしてみた。肉や魚介は入れず、メイン具材はズッキーニ。なすのように形が崩れず、やわらかいところと形が残ったところの口当たりが心地よく、合わせたタブレとの食感の相性が最高なのだ。


おいしいの法則②

スパイス、ハーブをよく炒め、
オイルに香りを移す

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オイルでにんにくを炒めたら、スパイスとフレッシュバジルを入れ、多めの油で揚げるように炒める油に香りをよ~く移すことで、カレーの輪郭がはっきりするんだ。五層コーティングのフライパンは保温性があるから、揚げ焼きにするときにも温度が安定して使いやすい。

おいしいの法則③

野菜を入れたらすぐ塩を振り、
短時間で煮る!

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野菜を入れたらすぐに塩を振る。こうすると、野菜の水分が出やすくなる、食材のうまみが引き出される、煮る時間が短時間ですむといいことづくしなんだ。

#Recipe

イタリアンハーブカレー
レモンバジルこしょう添え


材料と作り方(2人分)

―――
ズッキーニ 2本(360g)
 ➥5㎜厚さの輪切り
玉ねぎ 1/2個(120g)
 ➥縦3等分で5㎜厚さに切る
レモン 1/2個(60g)
 ➥5㎜厚さのいちょう切り
バジル 1パック(3枝)
 ➥葉を摘む
にんにく 2かけ(14g)
 ➥つぶす
オリーブ油(ピュアオイル) 大さじ3と1/2
―――
A
|ローリエ 1枚
|コリアンダーシード 5g
|フェンネルシード 5g
|黒粒こしょう 2g
|カルダモン 3粒
―――
塩 小さじ1
コンソメ(固形) 1個
―――

フライパンににんにく、オリーブ油を入れて強火で炒め、軽く香りがしてきたら(焦がさない)A、バジルを加えて炒める(バジルオイルを作る)。レモンを入れてひと炒めし、玉ねぎ、ズッキーニを加え、塩を振って強火で焼きつける。

表面に焼き色がついたら水をひたひたに加え、コンソメを砕いて入れ、ふたをして強火で15~20分煮る。途中水分が少なくなったらひと混ぜして水を足し、常にひたひたの状態を保ちながら煮る(最終的に約3カップの水を全部加える)。器に盛り、レモンバジルこしょうを少し加えて溶かしながら食べる。

おいしいの法則④

「レモンバジルこしょう」が
辛さの決め手!

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このカレーの辛さのポイントは、レモンとバジルと青唐辛子で作るペースト。ゆずこしょうがゆずと青唐辛子(九州では青唐辛子を「こしょう」と呼ぶ)で作るところ、レモンとバジル、青唐辛子で作るから「レモンバジルこしょう」と命名。レモンは皮をすりおろし、バジルはちぎり、ザクザクと刻んだ青唐辛子、オリーブ油、塩とすり鉢に入れたら、すりこぎでグリグリとつぶして作る。ゆずこしょうよりも、ほのかな苦みがあり、イタリアンにベストマッチ。薬味感覚で、ソテーした肉や焼き野菜につけて食べるのもおすすめ。

#Recipe
レモンバジルこしょう


材料と作り方(2人分)

―――
青唐辛子 50g
レモンの皮 1個分(5g)
バジル 10枚
塩 小さじ1/2弱(2g)
オリーブ油(EX.) 大さじと2と1/3
―――

青唐辛子は種つきのまま刻み、レモンは皮をすり下ろし、バジルは葉をちぎってすり鉢に入れ、塩、オリーブ油を加え、ペースト状になるまで擦りつぶす。

*オリーブウッドのモルタイオ(すり鉢)は見た目が美しく、それだけで気分が上がる! 手によくなじむのはもちろん、使っているうちに味わいが増していく楽しみも。

おいしいの法則⑤

イタリアンハーブカレーには
タブレを合わせる!

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今回は「シチリア」がテーマだから、カレーをかけるのはごはんでもナンでもなく、クスクスを使った「タブレ」! シチリアではクスクスに魚介のスープをかけて食べることが多いけれど(9月にはクスクスフェスタがあるほど!)、ここでは単品でも食べられるようなサラダ=タブレにしてみた。大根やセロリなどのシャキシャキ野菜を合わせると、口の中で楽しいリズムを奏でるよ!

#Recipe
タブレ


材料と作り方(2人分)

―――
クスクス 50g
セロリ 1/5本(20g)
 ➥筋を取って5㎜角に切る
パプリカ(赤・黄) 計50g
 ➥種とヘタを取り、5㎜角に切る
大根 50g
 ➥5㎜角に切る
玉ねぎ 1/8個(30g)
 ➥5㎜角に切る
――― 

|アンチョビーフィレ 5枚(15g)
| ➥刻む
|ケイパー(酢漬け) 12g
| ➥刻む
|白ワインビネガー 大さじ1
|塩 小さじ1/2弱(2g)
|オリーブ油(EX.) 大さじ1と1/3
―――

クスクスは袋の表示通りにもどす。
 
② ①A、野菜を加え、混ぜる。

*作り置きできるタブレは多めに作っておくと便利。酸や塩分に強い琺瑯容器なら、保存に最適。冷蔵庫で2~3日保存可。

おいしいの法則⑥

テーマから発想を膨らませた
サラダを添える!

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今回のテーマのシチリアは、羊がたくさんいる地域だから……と考え、羊のチーズ「ペコリ-ノ」のサラダを合わせることを思いついた。1つのテーマを決めて、どんどん発想を膨らませていくと、思いがけない組み合わせができる。それはとっても楽しい作業だ。

#Recipe
ペコリーノサラダ


材料と作り方(2人分)

―――
クレソン 4束(正味60g)
 ➥葉を摘む
塩 2つまみ
白ワインビネガー、オリーブ油(EX.)
 各大さじ1
ペコリーノチーズ 適量
―――

ボウルにクレソン、塩、白ワインビネガー、オリーブ油を入れ、あえる。

器に盛り、ペコリーノチーズを削りながらのせる。

*仕上げにグレーターでチーズを削りかけたら、オシャレなサラダが完成。このグレーターはチーズが細かくふんわり削れるほか、レモンの皮やしょうがを削るときにもとっても便利なんだ。

”Mangiamo”

献立のポイント

カレーはカレーでも「呑めるカレー」(ワインなどの酒が進むという意味での「呑める」)には、それ自体も「呑める」料理であるクスクスタブレを合わせ、別々に食べたり、かけて食べたりして楽しめるように。ワシワシ食べられるサラダは箸休めの役目。

Peróのソムリエールがセレクト!
今月のワイン

→写真左
名称:ラモレスカ・ロザート2021
種類:ロゼ
生産者:ラモレスカ
地域:イタリアシチリア
ぶどうの品種:ネロダーヴォラ、フラッパート、モスカート
価格:3,850円(税込)
コメント:1本目は今回のテーマであるシチリアのワインです。メインのハーブカレーの繊細な辛みに合わせ、選んだのはロゼ! 中でも、春に飲んでほしい淡いロゼではなく、夏にぴったりの「ちゃんとぶどうの味があるんで!」と主張のある、エネルギーが湧いてくるような深みのあるロゼです。ぶどう品種のネロダーヴォラはシチリアの主要品種で、力強さが特徴。そこに、華やかな香りを持つ品種、フラッパート、モスカートが合わせた、いいとこどりのワインです。

→写真右
名称:チェントチンクワンタドゥエ・グラーディ
種類:白(オレンジ)
生産者:イラリア・アッディス
地域:イタリアサルデーニャ
ぶどうの品種:シャルドネ、ソーヴィニョンブラン
価格:3,630円(税込)
コメント:夏といえば、バカンス!ということで「旅に出る」をテーマに、さわやかな要素のあるワインを選びました。森の中という自然豊かな環境で作られる複雑味のあるワインは、スパイス豊かなイタリアンハーブカレーにも負けない、しっかりしたうまみも持ち合わせています。王道のぶどう品種を使いながらも、ナチュラルワインに多く見られる「皮ごと発酵&ノンフィルター」のため、ぶどうのうまみがしっかり詰まった個性的な味わいです。

金田真芳(かねだ まさよし)さん

「Bricca(ブリッカ)」&「Però(ペロウ)」オーナー兼料理長。都内イタリアンレストラン数店に従事し、2010年三軒茶屋にイタリアンレストラン「Bricca」開店。小学校のころからラーメンの”味変”を楽しむなど料理に興味津々。高校卒業後、料理の道へ。「イタリアンをベースに、自分の興味に素直に、自分が食べたい作りたい料理を作っていきたい」と語る。

Bricca|Instagram

熊本千絵(くまもと ちえ)さん

ワインストア&ワインスタンド「Però(ペロウ)」ソムリエール。都内イタリアンレストランでサービスに従事し、2020年より「Però」スタッフに。ワインは全く飲めなかったが、「飲める」「体が受け入れる」ワイン……自然な環境下で育ち、ケミカルなものに頼らず醸造したもの……との出会いからナチュラルワインの世界へ。「ワインは体に負担なく飲み進められるものかどうかが大切な気がします」。

Peró|Instagram

もっと詳しく知りたい方は…

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撮影・動画/上端春菜(bean)
構成・文/飯村いずみ
アートディレクション/小橋太郎(Yep)

プロに教わる! おいしいの法則