TIMELESS COMFORTのインテリア好きスタッフ笹山が、暮らしに役立つヒントをご紹介します。
今回取り上げたいのは、「カンタキルト」。
大きな家具は、一度入れてしまうとなかなか入れ替えることは難しいですが、お部屋に新鮮さが欲しい時、便利なのがファブリック。中でも「カンタキルト」は、一枚で何通りもの使い方ができるので、お部屋の雰囲気を変えたい時にもおすすめ。
今回は、使い方や部屋作りのコツも交えながらご紹介します。
サスティナブルで母親の愛情たっぷりのカンタキルト
「カンタキルト」とは、東インドベンガル地方を中心に、古くから伝わる刺し子刺繍布です。
インドでは、布を粗末にせず大切に扱う風習があり、使い古したサリー(女性衣)やドーティ(男性衣)を再利用するために、数枚を重ねてひと針ひと針、手仕事で刺し子を施し、代々受け継ぎ使い続けています。それが「カンタキルト」と呼ばれています。
「ラリーキルト」とも呼ばれていて、母親が娘のために愛情を込めて縫い上げ、嫁入り道具として持たせる習慣もあったのだそうです。細かいステッチは時間も要しますが、家族の健康と幸せを願いながら、想いを込めて作られた暮らしの布は、見た目にも美しいだけでなく、丈夫で触り心地の良い一枚です。
布の再利用ですから色柄は一枚一枚それぞれ異なり、一つとして同じものは存在しません。それもまた、大きな魅力のひとつ。現代では、そんな一点モノのよさもあってか、インテリア好きな人たちにも注目されています。
私自身愛用していて、持っているとお部屋作りにも、室内での快適さアップにも、とっても便利だなぁと日々感じているアイテムです。
使い方によってファブリックとしてもアートとしても
では、お部屋の表情を変化させることができる、おすすめの使い方をいくつかご紹介します。.
Case 01:Cover
猫と暮らしていると、ファブリックタイプのソファをガリガリされてしまって、表面がボロボロになってしまうということも少なくないのではないでしょうか?
もちろん、我が家も例に漏れず気づけばガリガリ……。特にわが家のソファは、爪に引っかかりやすいモコモコした生地なので、爪研ぎのしがいがあるのでしょうね(苦笑)。飼い主の気をひくために、悪いことと分かっていながら爪を研いでいるのは確かなので困ったものです。
爪研ぎは猫の本能なので仕方ないと諦めてはいるのですが、生地の見た目がだんだん悪くなっているので、これ以上のダメージを防ぐためにカンタキルトをかけることがあります。
というのも、カンタキルトは爪にひっかからないのでガリガリしないんです!
カバーとして掛けたはずが、実際はソファとカンタキルトの間にもぐってしまうことが多いのですが(笑)。狭い場所が落ち着くようなので、猫にとってはこのテント状態が心地よいのでしょうね。もぐった後は、いつもぐっすり眠っています。
上にかけてカバーするという意味では、ベッドカバーとしてもおすすめ。ベッド全体を覆わなくても、ベッドもメイキングした後に、足元に少し広げておくだけで素敵な仕上がりになります。
Case 02:Art piece
ひとつとして同じものがないカンタキルトは、アートピースそのもの。壁にかけて楽しむのも素敵です。
これは以前、TIMELESS COMFORT南堀江店で行ったスタイリングですが、初夏のインテリアスタイリングの提案だったので、太陽を連想させるイエローのカンタキルトを選んでみました。
布の端っこを1か所紐などで絞って壁にかけると、ドレープが出て動きがプラスされます。フックなどで引っ掛ける場所を作れば、手軽にできる方法です。2枚あれば並べてかけるのもおすすめ。
広げて飾れば、絵画のようですね。布なので、広げたり畳んだりして好みのサイズに調整することもできます。2枚あれば、少しずらして重ねて楽しむこともできます。
この場合は、虫ピンで打ち留める方法が一番簡単できれいに取り付けられます。少しだけ穴が開きますが、布をくしゅくしゅっとほぐすと穴が埋まるので気にならない程度です。
大切なカンタキルトに穴を開けることなく飾りたい方には、木で挟むタイプのフックなどがおすすめです。
Case 03:Blanket
カンタキルトは、夏用のブランケットとして、肌寒いときに羽織ったり膝掛けにしたりするのにもぴったり。柔らかいコットンなので、肌触りもよく気持ちがいいのです。
暑い夏はどうしてもエアコンを使ってしまいますが、一緒に暮らしている家族がいたり来客があったりすると、なかなか自分好みの温度にできないこともありますよね。そんな時には、カンタキルトで身体が冷えすぎないように調整をすることもあります。
壁に立てかけるタイプのハンガーをリビングなど長く滞在する部屋に立てかけておいて、カンタキルトを畳んで引っ掛けておけば、置いてある姿もインテリアとして空間演出に一役買ってくれますし、サッと手にとれて便利ですよ。
布をつぎはぎして作られているカンタキルトですが、あえて色の違う当て布をしているところも多いので、長く使っていくと擦れた場所から異なる色が見えてくることがあります。それもまた、かわいらしく思えてしまうのが、カンタキルトのチャーミングさではないでしょうか。
時間を掛けて仕上げられた手仕事にぬくもりを感じ、使えば使うほどに愛しさが増す刺繍の布、カンタキルト。気に入った色や表情のものを持っておくと、インテリアとしてもいいアクセントになりますよ!
カンタキルトは実店舗の各店にて取り扱いがございます。店舗ごとに取り扱いのアイテムが異なりますので、店舗まで直接お問い合わせくださいませ。