サスティナブルなものづくり

DESIGN for SUSTAINABILITY・2023.04.27

「ものづくり」は地球にやさしいサスティナブルな視点が欠かせません。暮らしに欠かせない家具も、作り手と使う側が共に、環境保全や持続可能な社会作りなどの視点でサスティナブルを意識することが大切です。そこで私たちが家具を選ぶときのヒントと、暮らしの中にどう取り入れていけばいいかを考えてみましょう。

第一回で取り上げるブランドは「dareels(ダリールズ)」

dareelsはスペインで30年以上続いた伝統的な家具店を基盤とし、2012年にスペイン人の家具デザイナー・デビッド・ジョフラによって生まれた新しいブランドです。

彼は“人が毎日使うことができ、長持ちする高品質の家具を作ること”を目標にし、バルセロナにあるIEDヨーロッパデザイン研究所で製品開発の研究をしてきました。この研究所で培ったインテリアデザインの知識と自然素材が持つ本来の美しさを掛け合わせることで、ユニークなデザインが次々に生まれています。

森林保全から生まれる家具

dareelsの家具に使用されている木材は、伐採から木材加工、輸送に至るまでが持続可能な方法で行われている「Legal Wood 認証」を受けています。これは自然林や保全林から違法に伐採されたものではないことを証明するもので、違法な森林伐採を減らして、持続可能な森林保全を促進することにつながります。

再利用できる材料を最大限に利用

dareelsの家具に使用している材料は、主に古い建物や倉庫で使用されていたチーク材を再利用しています。回収した木材は、その状態を吟味し、再利用ができる素材を選んで塗料や釘を抜き、木材を生まれ変わらせます。作業はすべて手作業で行うので化学物質は使用せず、環境を害する工程は一切ありません。

長年使うことを前提としたデザイン

dareelsの家具は、ハンドメイドとサスティナブルをフィロソフィとし、過剰な装飾を加えずに自然素材の美しさを大切にしています。50年、100年……と時代を超越して使い続けることができ、しかもデザインがユニークであるというのが特徴。また、天然素材を使用しているため、木の形や色味、風合いがさまざまで、世界に1つとして同じものはありません。

撮影(サムネイル画像)/川上輝明(bean)
アートディレクション・文/小橋太郎(Yep)