季節感溢れるオシャレな料理、忙しい人にも寄り添うレシピが人気の料理家のワタナベマキさん。日々、気持ちよく食事を作るには、お気に入りのキッチンツールが欠かせないといいます。そんな道具好きのワタナベさんに、タイムレスコンフォートのオリジナルキッチンツール「Homeland」を使った世界の料理をリクエストするこの企画。今回ご紹介いただくのは、メキシコの「タコス」です。とうもろこしの粉で作るトルティーヤの作り方も教えてもらいます。
Homelandとは?
「使い勝手の良い、長く使いたいもの」をコンセプトに、タイムレスコンフォートが提案するキッチンツール&テーブルウェアブランドです。日本各地で長年磨き続けられた技術を受け継ぐ職人たちと直接対話を重ねながら、今の私たちのキッチンや食卓にフィットする道具や器を形にしています。さりげないけれど一度使うと手放せなくなる道具、料理を魅力的に見せてくれる器作りを目指しています。サスティナビリティ(持続可能)なキッチンの実現、またメイドインジャパンの技術の継承を願い、ホームランド(母国)と名づけました。

思わず料理がしたくなる!
手になじむ包丁
「手にしっくりなじみますね」とはペティーナイフを使ったときのワタナベさんです。「私は手が小さいので普段からペティーナイフをよく使いますが、このペティーナイフは細かい作業がとにかくしやすい。アボカドの種を取るのはもちろん、鶏肉の余分な脂や筋を取るときも小回りが利きます。菜切り包丁は切った野菜を水にさらすときにスケッパー代わりになるのもいいですね」。包丁は、料理をするときにまず最初に手に取るキッチンツール。切れ味のいい包丁があれば、俄然料理が楽しくなること間違いなしです。気持ちよく使えるものを選び、長く使い続けたいですね。

Homelandの包丁
Homelandの包丁は、プロの料理人が愛用する包丁を作り続ける、新潟県燕市にある老舗の刃物メーカー「片岡製作所」が作っています。持続性のある切れ味を生み出すために、「火入れ」「冷ます過程」にとことんこだわりました。種類は、万能包丁、菜切り包丁、ペティーナイフの3種類。まずは、名前の通り何にでも使える「万能包丁」を。次は、用途に合わせてペティナイフや菜切り…と揃えて使い分ければ、それぞれの包丁が長持ちします。刃当たりのやわらかいHomelandのひのきのまな板と一緒に使うと、より快適にお使いいただけます。
メキシコのタコス
毎日まぶしい日差しを浴びていると、メキシコ料理が恋しくなります。中でもタコスは手軽に作れ、ビール片手にみんなでワイワイ食べるのにぴったり。セルフで好きな具材を包んで食べられるのもいいですよね。余談ですが、気軽で陽気なイメージのメキシコ料理は、伝統的な食文化が評価され、ユネスコ無形文化遺産に登録されているそうですよ。
タコスは決して難しくありません。アボカドやトマト、玉ねぎを刻み、牛肉をソテーし、シュレットチーズを用意したら準備完了です。こだわりといえば、レモンではなく、ライムを用意することくらいでしょうか。独特のほろ苦い酸味をキュッと絞ると、より本場の味に近くなる気がします。
材料(4人分)
牛もも肉(ステーキ用) 250g
紫玉ねぎ 1個
トマト 1個
フリルレタス 5~6枚
アボカド 1個
ライム(くし形に切り、長さ半分に切る) 1個
シュレットチーズ 20g
にんにく(みじん切り) 1かけ
オリーブ油 小さじ1
ウスターソース 大さじ1
塩 小さじ1
粗びき黒こしょう 少々
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*小さじ1=5mL、大さじ1=15mL、1カップ=200mLです。

① 牛肉を切る
牛肉は表面の水けを拭きとり、1cm幅に切り、向きを変えて2cm長さに切る。
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Maki's Point
「ひき肉で作ってもいいですが、大きな肉を角切り肉ほうが食べ応えが出ます」

② 牛肉を炒める
フライパンにオリーブ油、にんにくを入れて弱火にかけ、香りが出てきたら①の牛肉を入れて中火で炒める。肉の色が変わったらウスターソースを加え、煮立たせながらからめ、塩、粗びき黒こしょうで味を調える。
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Maki's Point
「数種のスパイスが入っているウスターソースを使うと味が決まりやすいです」

③ 野菜を切る
紫玉ねぎは1cm角に切り、水にさっとさらして水けを拭く。トマトは1.5cm角に切る。レタスは食べやすい大きさにちぎる。アボカドは種と皮を取り除いて2cm角に切り、ライムを絞りかける。器に②の牛肉、野菜、チーズ、ライムなどを盛り、トルティーヤにのせて食べる。
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Maki's Point
「玉ねぎは辛味をやわらげるために水にさらし、アボカドは最後に切り、変色防止にライムを絞りかけておきます」
手作りのトルティーヤはコーンの香りが最高。小麦粉を同量加えたら、作りやすくなります。
材料(10枚分)
マサ粉* 150g
小麦粉 150g
塩 小さじ1/2
ぬるま湯 200〜250mL
*マサ粉…メキシコ産のとうもろこしの粉。


① 粉を練り混ぜる
ボウルにマサ粉、小麦粉、塩を加え、ぬるま湯を少しずつ加えて混ぜ、ツヤが出てひとつにまとまるまで混ぜる。丸めてラップをして1時間おく。
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Maki's Point
「マサ粉だけより、小麦粉を混ぜたほうが作りやすいです。手につかなくなり、ツヤが出たら混ぜ終わりの合図」

② のばす
まな板に小麦粉をふり、生地を約30gずつ丸めてのせる。めん棒でまずは押しつぶし、直径10㎝くらいにのばす。残りも同様にのばす。
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Maki's Point
「全体に伸ばしたら、中央から外側に向けて伸ばし、厚みを均一にします」

③ 焼く
鉄フライパンを中火で熱し、油を引かずに②を2~3枚のせ、強火で焼く。焼き目がつき、膨らんできたら返し、もう片面も焼き目がつくまで焼く。
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Maki's Point
「鉄フライパンでないとふっくら焼けません。よく熱したフライパンにのせて焼いてください」
焼けたら、乾かないようにフキンで包んでおく。

ワタナベマキさん
1976年神奈川県生まれ。夫と息子、猫2匹と暮らす。グラフィックデザイナーを経て、2005年に料理家として活動を始める。日々食べるものをおいしくていねいに作るのが信条。素材の味をシンプルに引き出す料理、素材の組み合わせに定評がある。ライフスタイルに憧れるファンも多い。現在は、テレビ、雑誌、オンライン料理教室など幅広く活躍中。著書は『マキさんの極上シンプルおにぎり』(ワンパブリッシング)、『ほったらかしでおいしい!せいろでおかず蒸し』(Gakken)、『あたらしいみそおかず』(文化出版局)、『ワタナベマキの体に優しいいたわりスープ』(扶桑社)、『五感が喜ぶおいしい組み合わせ。おつまみ100』(宝島社)など多数。
https://maki-watanabe.com
Wa&_ (ワンダー)
wa&_(ワンダー)は、現代版“にっぽんの味”を料理家ワタナベマキが提案するブランドです。"日々の食卓に、小さなワンダーを"をテーマに、世界各地の料理から受けたインスピレーションを繊細な和のテイストにアレンジしてお届けします。
撮影/竹内章雄
構成・文/飯村いずみ
アートディレクション/小橋太郎(Yep)